兵力増強に舵を切ったドイツ

『ドイツを見習え』
これは朝鮮人や支那人とそのシンパが日本に対して太平洋戦争の戦後処理における特亜への謝罪について指摘する際の意味不明な文言だが、残念ながらドイツをお手本には出来ないのが日本だ。
ドイツの第二次大戦後の謝罪のロジックは、悪いのは全て”超絶”国家主義のナチスであって、戦後・現在のドイツ政府はナチスとは全く別物であり、ナチスになり代わってホロコーストについてだけは謝罪することは認めているものの、明らかな虐殺等を行ったギリシャやイタリアには国際司法裁判所の判決にも従わず謝罪や賠償などは一切しないというものだ。ナチスは政府と軍が一体であり、ヒトラーの死により政府も自然消滅したことによって、戦争責任を全てナチスに負わせているからこそ第三者的なスタンスで謝罪が可能なのである。終戦時も国家としてまともな降伏の宣言や受諾すらしていない。(正確には暫定政府が受諾したが、その政府を連合軍が認めなかった)
これを日本が見習うなら、悪いのは全て旧日本軍であり、現在の政府が代わりに謝罪するということになるのだが、そうは簡単にいかない。
旧日本軍に全てを転嫁し、代わりに謝罪のポーズでいいのか? と、逆に聞いてみたくなるのが『ドイツを見習え』なのである。

日本は降伏時点でも正規の政府というものが存在していてその継承者が戦後・現在の政府であり連続性がある。もし、悪いのは旧日本軍(皇軍)だと現在の政府が公式に言及したならば、戦没者遺族ならずとも大規模なデモは間違いなく、政府要人はそれこそ命も狙われるだろう。
しかし、国レベルでの謝罪を簡単に行えるものではないものの戦後賠償(あるいはその代替)については日本は世界の見本とも言えるレベルで平身低頭、(誠実に)行ってきた。
ここがいけない。謝罪しないなら賠償も蹴とばせばいいし、賠償するなら謝罪も当然なのだが、日本の言動はその逆この曖昧さは外国人には『誠実』には映らず、未来永劫、朝鮮人や支那人に『お代わり頂戴』のネタにされる。『誠実』の意味が日本と他国では全然違う。

Soldiers hold their weapons during a German army, the Bundeswehr, training and information day in Munster, Germany October 9, 2015. REUTERS/Fabian Bimmer

Soldiers hold their weapons during a German army, the Bundeswehr, training and information day in Munster, Germany October 9, 2015. REUTERS/Fabian Bimmer

支那、朝鮮はどうでもよいが、今週10日ドイツの国防相ウルズラ・フォン・デア・ライエンが、冷戦以降初のドイツ軍の兵力増強を発表した。
今後7年間で兵士14,300人と軍属4,400人の増強が主な内容だが、統一後初めてとなる兵力増強はドイツとしては歴史的な転換点で、いよいよドイツも大きく舵を切り、脱『戦後』を目指すということだろう。欧州第一の経済大国のドイツが応分の責任分担を果たす宣言をしたと捉える向きが多い。

ドイツはNATOの一員として欧州の防衛義務を負うが、NATO域外への派兵には議会の事前承認が必要で、昨年12月にシリアなどへ1,200人規模の派兵を可能にする政府案を圧倒的多数で可決した。ただし、アメリカ主導の有志連合に合流して後方支援や偵察に当たるが、戦闘には加わらないのが条件だった。
ドイツが戦後、NATO域外に派兵したのは1992年にカンボジアの国連平和維持部隊に衛生兵を派遣したのが最初で、日本もこのPKOには施設大隊及び停戦監視要員、警察要員や選挙監視要員を派遣した。これが2度目の自衛隊海外派遣で1度目は前年のペルシャ湾派遣(掃海)だった。
日・独とも湾岸戦争で『小切手外交』と批判されたことを受け、議会承認による域外派兵を可能にしたのだ。ペルシャ湾の際は、ドイツでは『あの日本が海外派兵するのに・・・』という議論が起きたが日本に1年遅れながらもPKO派遣を決めた。
しかしその後は同盟国への資金援助が主流で、国内左派や多くの国民が海外派兵、NATO域外派兵には反対だったし、国内の空気もそれが大勢だった。

しかし、ギリシャ問題を始めとするEU域内の多くの国が経済危機にも関わらずドイツがユーロ安を背景にした一人勝ち状態であることがあからさまに批判され、加えて、ついに国債発行ゼロという優等生ぶりを発揮したため、さらに風当たりが厳しくなった。
そこに降って湧いた難民問題で周辺国から『メルケルの道徳押し付け反対』『ドイツが全部引き受けろ』といった非難の嵐も巻き起こり、テロ事件続発も影響し、難民発生の根源である中東の安定化の重要性から、経済規模に見合った海外派兵の要請に応えざるを得ない状況になってきたのだ。
もう一つ非難の理由はドイツが輸出した武器でクルド人がISやトルコと戦っていることが指摘される。

ドイツの代弁をするわけではないが、ドイツが無借金国家経営を行うからといって国内全土が裕福かというとそうではない。特に旧東独系の地域での若年層の失業問題や鉄道や道路などのインフラの老朽化も目立つものの、それらの根っこである緊縮財政を国民が了としているだけであって、都市部ではホームレスもあちこちで目立つし、難民・移民の貧困層も多い。
しかし、外から見ればドイツは相対的に裕福であり、その経済規模に見合った安全保障体制へのコミットをすべきというのが欧州全体の大方の議論である。

難民問題の根源であるシリア問題だけではなくウクライナ問題を巡って欧州の対ロシア政策の要、軍事的なバランスと盾をドイツに求める声は次第に大きくなっている。
もし、アメリカ大統領にトランプが就任した場合、アメリカのNATOへのコミットが低減する可能性もあり、その分は否が応でもドイツに負担が来るだろう。
そういった安全保障の責任分担を周辺国から求められていることはドイツ国民も十分に理解していて、それらに明確にNein(No)とは言えないのが現在のドイツの全体的な空気だろう。

そういった背景もあり、国防相による兵力増強に関してはメディアもあまり批判的なことは指摘していない。
そのメディアや国民の空気の転換こそが実は歴史的なことかもしれない。
日本と同様に国連常任理事国入りを目指すドイツは、脱『敗戦国』を目指して一歩踏み出したのだろうか。

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兵力増強に舵を切ったドイツ への3件のフィードバック

  1. argusakita より:

    ドイツの兵力増強のニュースは日本では産経すら報じていないのは何故でしょうね。
    ルーマニアでNATOのミサイル防衛システムも運用開始したり、だいぶキナ臭いのに・・・。

  2. ドイツは戦後アメリカ陣営とソビエト陣営に分割されましたが、日本は分割を逃れ、代わりに朝鮮半島が分割されました。韓国がドイツを見習えというのは、影に日本がドイツのように分割されるべきということも含んでいるのかもしれないと、妄想したりしてます。

  3. ブルーベリー より:

    ロシアによるクリミア編入と、それに続くウクライナ危機を受け、
    即応部隊の中に2~3日の間にどこにでも展開できる5千人規模の緊急部隊を創設。

    背景には、2014年ドイツが40年ぶりに均衡財政を達成でき、予算に余裕が出来たことがある。
    ドイツの国防費はGDPの1.2%で、NATOメンバーに推奨されている2%以下の状態。

    もともとドイツは軍事予算が少なめで、
    4年前に減らした戦車を元に戻して、再編成するので抵抗は少ないでしょう。

    ロシア対策を強化することは、EUなどの周辺国は歓迎していると思います。
    ただ、ドイツは2回の世界大戦を引き起こした国ですので、警戒は必要です。

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