徹底的に何かをやるなら日本脱出が上策

先日もそうだったが、日本に戻ると特に若い人から時々受ける質問で、『日本社会の近未来はどう考えても財政破綻や年金払い損は間違いなく、日本を出て海外に行きたいと思うがどうだろうか』というものがある。
これに対する答えは筆者の場合2つあって、その若者が本気でやりたいことが具体的にある場合には、『そうだね、海外で活躍する場を探したほうがいい』と言い、具体的に無い場合あるいは『自分が本気でやりたいことを海外のどこかで見つけたい』といった曖昧な場合には『いや、海外で頑張るくらいなら日本で頑張ったほうがいい』と答えている。(暗に、人の体験談なんぞそれぞれで、君の人生にとって屁のツッパリにもならんよと言いたいのだが(^^))

筆者の子供達も長男が既に某社から内定をもらい、末娘が先日成人式に出たが、大学院、大学とそれぞれ学業・バイト・遊びと気儘な時間を過ごしているものの、就職・就活もだんだん現実味が出てきたようで『ざまー見ろ(^^)、モラトリアムもそろそろ終わりだぞ!』と内心ホクソ笑んでいるのだが、話をしているとやはり今後の日本の社会全般に対してあまり明るい前向きな展望を持っていないことが明確にわかる。
かといって、子供のころから海外に連れて歩いたせいか、日本ほど衛生的で非暴力的で安寧な社会を維持している国は無さそうだという感覚が子供なりに自然とわかったようで、海外にすぐに出て行こうとは考えていないらしい。案外、それなりの少ない経験から現実を見ているのだろうが、逆にそれだけジレンマを感じてもいるようだ。

国の財政や年金の実質的破綻や少子化といった大きな根本的課題についての国の取り組みの方向性が明確ではない以上、今後日本の社会で起き得ることや流れについて若者たちはよくわかっているのだろう。ただし、冷静過ぎる分析が自分の人生をつまらなくする可能性には残念ながら気づいていないようだ。
何しろ日本は情報過多(大部分はつまらないものだが)であるものの、肝心の価値観は多様とは言えず、従来からの島国独特の社会への帰属意識と無意識の忠誠心的なものの延長に縛られているようにも見える。また、それらがどこに(何に)対する帰属意識や忠誠心なのかがわかっていない人が多いようにも感じる。

日本の社会つまり政治体制や社会制度は、いい意味でも悪い意味でも成熟してしまい、それを大きく変革する、あるいはリセットすることが非常に困難になっている(少なくとも民主的な手続きでは)。あまりにも年寄りが多すぎ、若者が伸びていく場所が限られてきている。本来であれば、世代間の格差を埋めるような施策を誘引するムーブメントが起きてもいいはずだが、選挙の票という現実しか見えないポピュリストの政治屋ばかりでは若者の意見など通るはずがない。若者が選挙で立候補するにも供託金の壁もあり、政治に若者が参加しにくい現実がある。しかもその政治がポピュリズムと私腹を肥やそうとする政治屋のせいで地に落ちているため悲惨さに輪をかけている。

既に国や地方の財政は破綻同然の状態ながら、歳出を大きく抑える話は出ず、特に地方は公債発行の限度枠を目一杯使う多重債務者状態のため、持続可能な社会どころか無理な社会保障のために背伸びしっぱなしで、しかもそれを継続せざるを得ない状態である。年金は例え1万円でも給付されれば『破綻』ではないというのが国側の主張なのだろうが、今の若い人たちの老後の暮らしに資するような給付金額は将来的には到底期待できるはずがない。
無論、若いうちから年金をアテにするようなのは元々ロクでもないものだろうから、大した人生を歩むことは無いだろうが、増税につぐ増税ばかりが覆いかぶさってきて、給付を心配する以前に年金税で所得が食われる現実があり、いくら頑張っても結果が付いてこないことが若者たちには見えるのだろう。
実は人生はそんなに悲観的な予想通りにはコトは進まないはずなのだが、全体的に見ればごくわずか(数%か)を除けば『一億総ワープア社会』にまっしぐらのように見えないこともない。
アメリカの歴史同様、女性の社会進出、長時間労働で生活水準が維持できなければ、皆借金に走る以外に無い。そのうちまたグレーゾーンが甘くなりサラ金地獄が出てくるかもしれない。

昔は、日本の社会全体がより物質的な豊かさを求め、その集団心理をもとにした価値観として、大学を出て、結婚し、子供を育て、車を買い、家を建て・・・といったわかりやすい目標が普通にぶら下がっていたのだが、今はそれらがコスト(マネー)だけで評価され、メルクマールとして示されるため若者が自分の財布と見比べてビビるのである。
かつては自分の親よりも物質的にも精神的にも豊かな暮らしを求めるのが普通だったが、今は自分の親並になれるかどうかという算盤勘定で既に気分的に負け組になるようだ。
結婚すると生涯ん千万、子供1人にん千万、家を建てたりマンションを買ったりでん千万・・・、余計なシミュレーションをライフプランナーのような連中が吹き込むからそうなる。余計な情報過多なのである。

このままでは、東日本大震災や原発事故を遥かに凌駕するような大規模な災害や戦争でも起きない限り、日本は変わらない。衰退し日本人の代わりに別の民族が暮らす地域になっていくだけだろう。以前書いたように、
国家間の国民の入れ替え
が起きているのが現在の世界だと見たほうがよいし、日本もそうなりそうだ。

経済成長に限ってみても、成長に必要な3要素、つまり人口増加、教育、イノベーション(単に科学技術に限ったものではない)のうち、イノベーションは人間の『欲』がある限り放っておいても企業や研究機関を中心に何らかの形で前進するが、人口増加と教育は国家的な取り組みが必須なものの、高度成長期の幻想が未だに年寄り達の頭の中に残滓として存在し、自然に何とかなると思っている楽観した空気が日本を覆っているように見える。
誤解を承知で言えば、女性の識字率(教育と言っても良い)を上げれば出生数が減少することは古今東西歴史的な事実で、逆に言えば女性の教育を進めると出生数を抑制できる。これに取り組もうとしている(のかどうかわからないが方向性として)のが現在のアフリカとイスラム世界で、その先鋒がマララ・ユスフザイとも言える。支那は女性の教育に力点を置かず、単純に子供の数だけで制御を試みたが完全に失敗し、5年後くらいにはその巨大なツケ(労働力不足、年金問題)がやってくるため急激な衰退が予想されている。

戦前・戦中の亡霊に捉われている左巻き連中の非難が怖くて『産めよ増やせよ』と言えない日本政府は人口増と教育には不熱心どころか、むしろそれらにマイナスに働く施策ばかり進めている。挙句の果ては『単純労働者の移民受け入れ』といったとんでもない議論が政府や自民党でも相当に出ているらしい・・・。究極の日本破壊である。

そんな日本に居たって今の若者がいい歳になったころに多くが幸せになれるわけがない。
と、近未来の日本は明るくないことは皆肌で感じていることだろうが、筆者が日本脱出を勧める場合にはもう一つ理由がある。
それは、スポーツ、芸術、科学技術において何かを徹底的にやってみたい、本気でチャレンジしてみたい場合、日本の社会ではそれをシンプルに進めるのが非常に難しいのである。
筆者が拠点を海外に移す際に大きな決断材料になったのは、あるコンピュータ通信技術の試行錯誤が日本では違法となり出来なかったことがあり、これが最も大きいな理由の一つだ。
無論、その試行錯誤をやらずに別の技術で商売する方法もあったのだろうが、筆者にはそれがエラくつまらないものに思え、それなら違法にならない場所あるいは実験が可能な場所を求めて・・・というのが日本を出る決断だった。

日本の伝統的(?)価値観には、物事、行為に対して『過ぎたるは猶及ばざるが如し』だとか『及ばぬは猶過ぎたるに勝れり』といった論語からきている行き過ぎ、やり過ぎを牽制する教え(?)がある。(英語でもオレンジは絞り過ぎると苦いジュースになるという諺があるが)
また、判断基準として善悪・正否といった絶対的なものを求めず、まずは『中庸』といったポジションを大事にし、『和』を重視する傾向が強い。
これらは『生き方』に関して非常に大きく影響を与えるが、仕事や自分のやりたいことが明確な場合はブレーキとしてしか働かない。

日本のごく一部で英才教育が実験的に行われていることはあまり知られていないが、普通の家庭で子供を勉強なり、芸術なり、スポーツに徹底して集中させると、その風当たりは非常に強いのが日本社会の特徴で、最近はだいぶ変わって来たかもしれないが、家庭や本人の意識とは無関係に『出る杭は叩かれ、均される』のが日本だと言ってもよい。
ある人間が何か一芸に秀でている場合、日本では表面的には褒め称えても内心では『バランス欠如』と見る傾向がある。例えばスポーツ選手が現役時代どんなにヒーローであっても引退後や失敗すると相当に残念な人生を送っている場合が多く、清原やバドミントンの桃田が最たるものだ。そうでないのは昭和のヒーローの長島や王くらいのものではないだろうか。

departures仕事でも、芸術でも、スポーツでも10~30歳代で徹底的にやってみたいなら、日本にいるのは無駄なエネルギーを使うことで損をするのは間違いない。
無論、全く異なった文化・習慣・日常に身を置くことは(日本的な)全人格的・バランスの取れた成長は期待できないため、そこをどれだけ自覚していくかにかかる。トレードオフである。
しかし、若いうちしか『根拠の無い自信』という特権は持てないものだ。それがある人は日本で腐っているよりも、ぜひ日本を飛び出してチャレンジしてみるべきだろうと思う。
そして、できればその成果を祖国日本に何らかの形でフィードバックすることを目指していけば、20年後、30年後の日本は新しい時代になるだろう。
海外にいる日本人達は必ずその若者を応援するはずだ。世界は広い。

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徹底的に何かをやるなら日本脱出が上策 への3件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    日本の未来は深刻で、秋田県のような衰退地域は公共サービスを維持できなくなるでしょう。
    ただの悲観ではなく、現実的に厳しいので、ちゃんと子供には伝えるべきです。

    今の若者は、受験戦争・就職氷河期などを経験しておらず、打たれ弱いので、
    早いうちに海外旅行などで、刺激を受けてほしいものです。 (朝鮮は除く)

    しかし、秋田県の1000人あたりのパスポート発行数はワーストで
    日本の中でも最も 「内向きな地域」 なのです。 
    新しいことに否定的で、好奇心がないから最速の衰退をしている。

    • argusakita より:

      好奇心が無いのではなく、自分の目で見ようとせずにスマホを通して・・・と、そっちに向いちゃうんでしょうね。
      もったいないことです。

      • argusakita より:

        ウクライナのオデッサに滞在中。
        ネットが不自由で驚き。こんな状態は今まで経験が無いし 。参ったな。
        暫く、blogはお休み。

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