ポリティカル・コレクトネス vs 本音

BREXITよりも庶民の関心はUEFA EURO 2016(サッカー)というくらい盛り上がっている状況だが、今日明日の準決勝、10日の決勝まではまだまだ盛り上がりそうだ。
PK戦の運の強さから優勝はドイツかなと筆者は睨んでいるが、ウェールズが意外に・・・。
この欧州の大イベントが終わると、再度BREXITの経済的影響、EUの弱体化などに関心が向くだろうと思われるが、難民受け入れに終始反対していたハンガリーがEU加盟各国が難民の受け入れを分担することの是非を問う国民投票を10月に行うと発表し、欧州懐疑派が勢いづいている。

img_663e7de841fc8cd429010bb5c03d9cad301805既にバルカン・ルートからの難民はハンガリーとセルビア、クロアチア、オーストリアとスロベニアの国境に設けられたフェンスで大幅に制限され、ギリシャやアフリカからイタリアへの海側からの流入になっている。
これから8月、9月くらいまでは地中海、アドリア海でボートピープルの遭難事故が相次ぐだろう。しかし、あの砂浜に打ち上げられた幼児の映像のようなショックはもう無いだろうと思われる。それほど難民・移民に対する排斥の空気が強くなっているのを感じ、1年前とは完全に逆転したように見える。

比較的安定していたオーストリアの政権も大統領選で大騒ぎの事態になっている。
img_e8b68a871807fda254e2e7c399770b3f638454月に行われた大統領選で極右政党自由党のノルベルト・ホーファー(写真左)が、与党候補を大きく退けトップとなったものの得票が過半数に至らず緑の党元党首のアレクサンダー・ファン・デア・ベレン(写真右)との決選投票となった。結果は僅差でファン・デア・ベレンが勝利したのだが、不在者票の事前開封、二重投票があったと自由党が提訴。結果、憲法裁判所は7月1日に一部の地区で手続違反があったとし、全ての決戦投票のやり直しを命じた。
どうやら、全ての投票所が閉まる前に開票状況がリークされ、ソーシャルメディアで流れ始めたということもあるのだが、日本のように開票が一斉にスタートするのではないのかと少々疑問も残る。(先進国でもこれだ。日本の選挙のように候補者の名前を記入するといった『高度』な投票は世界的にも珍しいくらいで、どこでも大抵は欄に○かチェックだ)

3度目の正直とも言える決選投票は10月2日が予定されている。
ハンガリーの国民投票と同時期だが、欧州各国で主に難民受け入れ反対派が強くなっているのは紛れもない事実で、人道的な難民受け入れが人権等を考慮したポリティカル・コレクトネス(Political Correctness:PC)で、それを頭ではわかっていても、本音はやはり反対なのだという人々が増えていることは間違いない。
PCの奇麗ごとよりも、本音が政治を動かしつつあるということか。アメリカ大統領選のトランプもそうだが、PCではなく本音あるいは大衆の本音の代弁がポピュリズムと結びついている状況は世界的な流れのようだ。
確かに、難民問題に限らず、筆者などはLGBTもその多様性を認めるあるいは排除しないことはPCだとは思うが、やっぱり本音ではLGBTは生物である人間としてはあるべき姿とは言えない印象が強く、直感的に『気持ち悪い』という感情が先行してしまう。まあ、人情という言葉で自身を正当化しておくかな・・・。だいたい、LGBTに対してまともな日本語が無い時点で敬遠する空気が表れている。

PCを建前とすると、今まで何かの抑制が働いていた本音の部分が解放されてきた今、それが民族、国家、政治、宗教といった大きなものと結びついた場合には結構恐ろしい現実が待っていることは人類は2度の大戦で十分知っているはずなのだが、世代が変わって学習効果も薄れてきたということか。
まあ、また失敗して学習するしかないのかもしれない。

BREXITでEUはイギリスに対しては『さっさと出ていけ』と冷たくあしらう一方で、未加盟の候補国マケドニア(ギリシャが国名変更を条件に要求している)、セルビア、モンテネグロ(旧ユーゴ内戦の後始末が条件)などと加盟交渉を積極化しはじめた。
また、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モルドバといった欧州最貧国なども引き入れ欧州の結束を図ろうとしているが、これらの経済弱者を引き入れた場合、ドイツ始め拠出金の多い先進国は負担が多くなることは明らかで、既存加盟国の間でも論争になるだろう。結局は一枚岩とはいかないのが欧州だが、それを敢えて推し進めたEUという実験がやはり終焉に向かっている空気を感じるのは筆者だけではないだろう。

EUではなく欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟してEUとは距離を置いているノルウェー、アイスランド、スイスの3か国はそれぞれ国民投票に基づいて加盟をしなかったし、今後もすることはないとされる。
EUばかり観ずに、こちらの非加盟国の政治・経済をwatchすることも重要かもしれない。

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