メタファーの欠如か幼稚化か

いやはや、ポケモン恐るべしの状態のアメリカ。
愚息や愚娘が小さい頃はこのポケモンには親子でお世話になった(?)ものの、未だにあれが何故大受けだったのかがよくわからない昭和の人間である筆者にはただただ驚きと思考停止しかない。
pokemon-anonymousAnonymousの一部が、この社会現象ともいうべき騒ぎに冷静な大人風なメッセージをあちこちにupしていて、なかなか興味深い。注目を集めるという意味では、このポケモンGOはAnonymousのターゲットになりつつあるだろう。崖から落ちたり、交通事故に遭ったり、ポケモンGOはまだまだ騒ぎを起こしそうである。

明日18日(日本時間では19日未明)からオハイオ州のクリーブランドで始まる共和党大会で副大統領インディアナ州のペンス知事とともに正式指名を受ける予定のドナルド・トランプだが、こちらのメディアでは共和党にも不支持が無視できない数存在するようで、正式指名は間違いないものの、クリントンとの本選ではやはり負けるかなというのが筆者と周囲の予想。しかし、最近の世界は『何が起きても不思議ではない』ため、トランプ大統領も可能性が無いわけではない。そうなった場合の不幸中の幸いは副大統領にサラ・ペイリンを指名しなかったことくらいか。

tunick_01-550x550そのクリーブランドの共和党大会の会場Quicken Loans Arenaの傍で写真家のSpencer Tunickが裸の女性100人による抗議の意味も含めた写真を撮影し発表している。この写真家は大勢の裸を使う写真で有名だが、女性の裸というのは美しくあって欲しいという筆者の個人的な思いがあるせいか、どうもこのテのものは苦手だ。
ウクライナ(今はいくつかの国に支部のようなものもある)の政治的抗議集団のFemenなどもそうだが、女性が裸で抗議というのは小聡明さというか、イマイチ本質をボカすように思えるが、それを支援する個人、団体が多いのも事実で、そういう『時代』なのだろうと。

それにしても、こういう感性に直接訴えるというストレートな表現や政治的な発言などが純粋な芸術以外にどこでも当たり前になってきているのはやはり一つの傾向だろう。
一捻り無しに、比喩、暗喩といったものをすっ飛ばして、受け取る側に考える余裕を与えないものが多いのはどこか嫌な感じである。
日本ではベストセラーながらマスコミは全く触れないという『カエルの楽園』(百田尚樹)が話題になっているようだが、百田が自身で『私の最高傑作』とする寓話的『警世の書』ということで少し前に読んでみたものの、日頃の百田の言動等で何が書いてあるかが予想できる人にはあまりおもしろくなかったのではないだろうか。百田の他の著作を読んでいる筆者はもう少し別のものを期待していたが、少々物足りなさを感じた。
寓話的に比喩しているのだろうが、登場する生き物や設定があまりにも現実と一対一のため、読者に想像させる楽しみを与える余地がない。
文科省の小中学生向け推薦図書にして欲しいとは思うが、大人向けの寓話ではないなぁ・・・。
しかし、これも本音で語ることが重宝され、それを受け取る側も素直にストレートなものを善しとする昨今の状況の一つなのかもしれない。

百田は頭の回転の良さそうな作家であるため、こんな寓話で主張を書かなくてもいくらでも書きようがありそうなものだが、敢えてカエルという一見身近な生き物を使って寓話仕立てにしたのは、それほど日本の読者(主にあまり本を読まない世代)が自らの頭を使って比喩・暗喩を解釈できない幼稚なレベルにあると判断したからかもしれない。
もしそうなら、これはもっとストレートに主張を伝えるためにアニメ化して映画にでもすべきだ。漫画世代、二次元親和性の高い人種にはもっとわかりやすいだろう。

半世紀以上も生きているため筆者は未だに自身は未熟であるとは思うものの幼稚であるとはなかなか言えないし、言っても逆に笑われるだけなのだが、未熟と幼稚はだいぶ異なるもののはずで、いい歳になるとそのどちらも許されない状況になってくるのも確かだ。
そんな筆者から見ても、日本に限らず未熟さよりも幼稚さが目立ついい歳の連中が増殖していることにちょっとした危機感さえ感じる。
脳ミソではなく脊髄に訴えるような外部刺激に反応し、刺激を与えるほうも小聡明くそれを狙う。
せっかく高度な頭脳を持つヒトという生き物がメタファーを捨てストレートなやり取りをしていては面白みも何もないではないか。

決して上目線でモノ言うつもりはないのだが、ハロウインの馬鹿騒ぎなどを見た時も、日本は老害とも言える年寄りの群れよりは数は少ないものの、幼稚化した集団が同じように底辺近くに屯っていて、近未来は大変なことになりそうに思えたのだ。
未熟な大人は成長の余地と努力の報酬(いいことばかりとは限らない)があるだろうが、精神的な奇形とも言える幼稚な大人はそれらが無いため手が付けられない。
過去20年ほどの日本の『教育の穴』を改めて思い知らされるとともに教育の重要性は国家にとって最優先課題であると改めて感じる。

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メタファーの欠如か幼稚化か への4件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    20~40代男性に向けに創刊された「MFブックス」 大人向けラノベで大躍進!
    http://ddnavi.com/news/237980/a/

    大人向けライトノベルの新レーベル 『μNOVEL(ミューノベル)』 創刊
    http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201509013182/

    出版不況にも関わらず、ライトノベルは年々売上が伸びています。
    なぜかというと、30~40代が主な購買層になっているのです。!

    普通の本を読む能力が育たず、ライトノベルを卒業できないようです。
    日本人は7割文系なのに、本をまともに読めないんです・・・・

    • argusakita より:

      ライトノベルというものを読んだことがないので何とも。
      確かに今の若い人たちには、いわゆる名作と呼ばれる小説や評論などはリアリティに欠けたつまらないものに見えるのでしょうね。
      スマホから覗く世界や身近な現実の世界のほうが何となく役立ちそうな錯覚があるのかもしれません。

  2. 亀レスですみません。
    >この写真家は大勢の裸を使う写真で有名だが、

    沢山の女性の裸の写真なら、私はこちらのCDの付録ポスターのほうが好みですね。

    http://blogs.yahoo.co.jp/redfuruit2/54340726.html
    11PMの大橋巨泉氏が亡くなったとか。(←この話題ももう亀か。)あの頃はTVも音楽も結構際どいものをやれてたんですね。

    • argusakita より:

      ああ、『ばーいしくる、ばーいしくる♪』って奴ですね。そのアルバム持っていましたが、10年くらい前に処分しました。
      11PM懐かしいですね。私はあれでマージャンを勉強したような気がします。

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