イギリス、西側の支那離れと支那の抵抗の行方

BREXITの国民投票の結果、欧州での立場が微妙になってきたイギリスがメイ政権内部でも揺れているようだ。
 7月30日、メイ英首相は、サマセット州ヒンクリーポイントの原発新設計画について、プロジェクトの最終決定を遅らせる方針を明らかにした。メイ首相、ベルリンで先月撮影(2016年 ロイター/Stefanie Loos)昨年10月のシー・ジンピンの訪英時の土産でもあったヒンクリーポイント(サマセット州)の原発プロジェクトは、支那の広核集団(CGN)と核工業集団(CNNC)が建設に当たるフランス電力公社(EDF)とのコンソーシアムで支那側の出資が30~40%の予定だった。しかし、ここにきてイギリスの原子力当局の最終許可が出るかという局面(28日)でメイ首相は急遽この最終決定を秋まで延期することを発表した(30日)。ロイターによれば調印式の数時間前に『待った』をかけたのだそうだ。 理由は一言で言えば支那資本に対する懸念なのだろうが、テリーザ・メイ(Theresa Mary May)カッコいいねぇ・・・。(ちょっとゾクゾクするではないか)


考えてみれば、イギリスというのはエリザベス1世もビクトリア女王も、エリザベス2世もサッチャーも、それぞれ大変な時代にトップに立った。不安が漂う時代には女性に頼るのがイギリスの歴史といっても間違いではないだろう。イギリスは今、不安定で揺れているのだ。

一方、突然『お預け』を食らった支那は、表面上はイギリス政府の決定を尊重すると発表したものの、原発輸出を成長の柱の一つに置いていたため、このストップは相当に応えたのは間違いない。
もともと、支那の原発輸出についてはパキスタンで実績はあるとはいえ技術的な面と収支面での不安は指摘されていた。何故なら、支那の原発事業は全て国営企業による管理下で進められ、パキスタンでの実績も含めてプロジェクトの目的が原発による電力事業全体の収益ではなく、建設事業そのものだからだ。運用のノウハウもおぼつかない支那が国内で次々に原発を建設していることは日本にとって非常に大きな脅威だ。反原発の鳥越などは支那で大声をあげたらどうだと思うくらいだ。

さらに、ヒンクリーポイントのプロジェクトに関していえば、CGNとCNNCは互いに競争相手で、今まで協力した実績が全く無い。
どちらも民間企業という建前だが、CGNは支那南部を拠点とする多角的経営の民営企業(フランスのEDFと親しい)を指向しているが、CNNCは原子力担当省から派生したため政府や人民解放軍との結びつきが強い。この2社がライバル意識を露骨に出しながら、他国で共同のプロジェクトというのはイギリスでなくとも懸念を抱くのは当然だ。
また、今回のプロジェクトでは稼働後20年間の核燃料供給も含まれているものの、CGNは独自の調達先が無いがCNNCは供給可能という差がある。下手をすると核燃料供給が支那政府の腹一つという事態にもなりかねない。
以上の理由から、この2社が協力しながらヒンクリーポイントのプロジェクトを進めるのは困難と見られているため、メイ首相も決断したようだ。

2614455_origさらに、前首相のキャメロンと前財務相オズボーンが進めた(AIIBを含めた)親支那の政策を見直す空気がどうやら強くなってきたようだ。
これは、安全保障上の問題として、原発という大規模な電力エネルギー供給元を支那に依存することへの不安感が出ているのだろうが、やはりそこにはかつての『黄禍論』(Yellow Peril)に基づく支那への恐怖心があるようだ。
黄禍論そのものはチンギス・ハーンのモンゴル帝国による欧州征服・支配が元祖だが、近代では日清戦争以降の日本に対するもの(主にドイツやロシアがアピール)が代表的。しかし、イギリスでは1900年の義和団の乱以降の支那による黄禍論(風刺画のように漢族ではなく満州族による)を指すことが多い。
134367666イギリスにとって支那はかつては半植民地であり、そこが宗主国に歯向かってくることがストレートに人種差別と非キリスト教民族による侵略という被害妄想と結びついて黄禍論を生み出している。

イギリスに住んだことがある人はわかるだろうが、歴史的に香港・上海といった支那の拠点とのつながりが大きいせいで、イギリス国内には支那人コミュニティ、支那レストランなどが非常に多い。筆者も醤油味のものが食べたいときは中華かインド料理の店に行った。
世界中の華僑が同じようにコミュニティや物理的な居住地域を持つようにロンドン他都市部では支那人はすっかり風景の一部である。
その支那人が数にものを言わせていつか再び反乱を起こし、イギリスを侵略するというある種の妄想を抱いているイギリス人は少なくない。

ましてや、この10年程の支那の経済成長で、人民元の価値上昇の前では伝統あるスターリングポンドもハードカレンシー4強の座を明け渡した格好になっている(円も後塵を拝しているが)こともあり、イギリス国民は支那を再び食い物にしようとする超富裕層は別として、全体的に少々弱気になっている。
ここ数年の支那経済の落ち込みは明らかだが、何しろ図体が大きいため、そうそう簡単には国家破綻とはいかない、あるいは実質破綻していても支那共産党が隠蔽するため外からはわかりにくい。しかし、輸出依存と生産側の過剰設備を内需主導にしていく構造転換は進まないため、国営企業の破綻は内乱もしくは対外的な武力紛争しか道は無いだろうという声も多い。
加えて、ロイターによれば支那は外資系銀行による新規株式公開(IPO)を抑制するための規制に乗り出すようで、外資は欲しいが外資による支配は避けたいというジレンマに陥っている。緩やかかどうか知らないが下り坂を転がり始めていることは間違いなさそうだ。

G7summit西側(G7)で、写真のような『支那分割』について話し合いが続いているとしたら、日本はどうするだろうか。少子高齢化で、今更、領土的野心など持ちようが無いと思うのは筆者だけだろうか。巨大な消費市場が欲しいのはもはやイオンとユニクロくらいか・・・。


Eric-Clapton-Layla今日の一曲
1971/3
Eric Patrick Clapton, CBE  “Layla”(いとしのレイラ)
いつまでたってもカリスマだ


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