支那による企業買収を阻止する法的スキームが急務

先般、鴻海からの出資金が振り込まれたことでSHARPの買収手続きが終了し、子会社化が確定し、社長に支那人が就任した。鴻海は台湾企業とされているが北京寄りどころかほとんど支那共産党や人民解放軍との結びつきの強い企業であることは周知の事実で、今回の買収劇は様々な問題(日本にとって)や今後の企業M&Aにおける懸念をもたらしているが、筆者はある意味これがスタートだろうと感じている。
今回の買収では、鴻海はシャープ支援に7,000億円規模の出資と銀行の優先株2,250億円分を買い取ることを提案し、銀行に『損をさせない』と発言したため、革新機構の3,000億円出資と優先株2,250億円分を銀行に債務放棄させる案との比較でみずほ銀行(シンジケート)は前者を選択した格好だ。後者を選択したらみずほ銀が株主から訴えられる。
日の丸なんかどうでもいい、金融の論理で動くのが企業でありメガバンクであるという今風な選択とも言える。

しかし現実的には、いざ買収が確定するとSHARPの新社長に鴻海の戴正呉副総裁が就任、取締役9人のうち鴻海の指名者が6人、さらに実力主義に基づき信賞必罰を前提にしながらも全世界で7,000人のリストラを急ぎ収益改善を急ぐと発表している。
これは筆者の想像だが、今後SHARPでは支那人管理職が半数以上になり、社内公用語も北京語中心になり、社内文書も簡体字優先(台湾企業を標榜するなら一応繁体字も使うかな)になるだろう。ついていけない日本人労働者は自主退職、補充は政府が進める『高度人材』『研修制度』を利用し支那人を雇用し、同時に賃金総額も低減していくだろう。日本人従業員にとっては悪夢だろう。
いずれにせよ、今後、SHARPのようにメインバンクがみずほ銀のようにアジア全域でのビジネスチャンスを追う企業のM&Aは支那を軸に進められていくのはしばらく続きそうだ。

Li Keqiang支那によるM&Aは日本だけではなく世界中で同時進行している。
リー・クーチアン(李克強)の『走出法』(海外進出)政策に従って様々なセクターの企業を様々な国で買収しているが、少し以前はスペインのリゾートホテルや廃港になった地方空港といった具合に、適当に金に糸目をつけずに買収しているように見えた。これは以前も書いたように主に共産党幹部や国営企業幹部の個人資産や法人資産の海外移転が主たる目的で、その実態がシー・ジンピンらのスキャンダルとしてパナマ・ペーパーで表に出てきた。
このスキャンダルと支那経済の先行き不透明感からキャピタルフライトが進むと筆者は予想していたが、『走出法』政策に関してかなり修正が加わったように見える。
従来のような資源エネルギー分野や製造業を中心とした闇雲な大規模買収ではなく、明らかにハイテクや医療、小売業の買収が目立ち、将来的に大きなマーケットを意識したものや支那国内の産業構造の転換(可能かどうかは別として)を目論むセクタへの傾倒が見られる。

BN-OO545_cworld_M_20160621004622ケムチャイナ(支那化工集団)がスイスのシンジェンタ(農業化学世界第3位)を約430億ドルで買収
・ケムチャイナ(支那化工集団)がドイツのゴム・プラスチック加工機械大手であるクラウス・マッファイを買収
ミデアグループ(美的集団)がドイツの産業用ロボット大手クーカに対してTOBをかけ、既存保有と合わせて85.7%の保有比率となり筆頭株主となった
※クーカは、日本のファナック、安川電機、スウェーデン(とスイス)のABBとともに世界4大産業用ロボットメーカー
※ドイツ企業は2012年頃からまさに支那に買い漁られていて、サニー(三一重工)がコンクリートポンプ製造大手のプツマイスターを巨額で買収している。

露骨な直接買収やTOBで、徐々にドイツ国内で支那を警戒する声が上がってきたこともあり、支那は買収手法の多様化も行っている。
イギリスのプライベートエクイティ3i社を使ってドイツの自動車部品メーカーのシュレンマーも買収している。3i社は数年前にアメリカのエンジン部品メーカー、ハイライト・インターナショナルを買収し支那に売却している。
さらに買収だけではなく、戦略的な出資も見られる
例えば、検索エンジン大手のバイドゥ(百度)が自動運転車用のレーザーセンサーを手掛ける米ベロダインに出資することになった。

農業化学、薬品、加工機械、ロボット、自動運転技術関連産業と近い将来の産業の核心的な技術を手に入れることが目的の多方面に渡る企業買収。
一時、日本の金型技術が中小企業とともに支那に流出することが問題になり、核心的な技術の流出を抑制したため、ある程度流出を防止することには成功しているようだが、今後はまだわからない。

大手家電の組立プロセス主体の事業は既に支那にすっかり取られた。SHARPなどは液晶技術の核心部を取られてポイされるだろう。
しかし、いずれ支那も人件費の安い東南アジアにそれらを奪われ、部品供給といった現在の日本のようになるだろう。
つまり、支那が世界中から部品メーカー等を買収し、技術を取り入れ自前で製造可能になれば、主として日本の中小企業が担っている精密部品、金型といった要素も不要となり、日本の製造業を支那が取って代わることになる。
モノ作り日本などと言っていられるのは職人の手による工芸品的なものに限られる時代がすぐそこまできている。

知的財産権などでの保護は支那にはあまり有効ではないことは十分に知られていることで、それらに代わる何かを使って中小企業のモノ作りのヒトや技術が支那に流出しないように国家的な取り組みをしないと、製造業分野での雇用もさらに減少し、『日本人は何で食っていくの?』という時代になりそうだ。
企業やメガバンクは『金融の論理』で動けばいいが、国家としては『日の丸の論理』で動いてもらわないと大変なことになる。株主の利益が国益と相反する時代である。


Bob_James_Two今日の一曲
1975/5
BOB JAMES “Take Me To The Mardi Gras.”(Album: TWO)
70,80年代は楽器をやっていたこともあり、ボーカルものよりもインストのほうを多く聴いていた。いわゆるフュージョン、クロスオーバーといったところか


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支那による企業買収を阻止する法的スキームが急務 への4件のフィードバック

  1. びっくりぽん より:

    最近の支那ドローンやスマホ、4Kテレビ、カメラ等を話題を見ると、そのクオリティーは最早「Made in Chaina」と呼ばれた頃とは一線を画しており、既に日本を追い抜きつつあるように思います。
    先日、Alibabaの通販サイトからスポーツ用「アクションカム」を購入しました。先行する有名メーカー製を凌駕する性能で価格は半値。使い勝手も勝るらしいです(まだ届いていない)。Youtubeにアップされた動画を見ると、画質も同等以上。
    驚いたのは、レンズがSONY製であること。本家よりも、部品をアセンブリするのが上手い。
    「物まね」を過ぎて、もの作りに「革新」の力を持ち始めているのかも知れません。

    • argusakita より:

      こんにちは。
      私も会社の持ち物として支那製のドローン2機持っていますが、最初はいいものの耐久性はお話になりませんでした。特に可動部やベアリング等の部品はちょっとなぁという水準。
      限界設計というか、商品寿命の設計思想が日本とはだいぶ違うんだろうなという印象です。
      また、交換部品などはほとんど入手できませんでした。使い捨てですね。
      (商売としてどっちがいいかは考え方の違いですから何とも)
      SONYのレンズって旧ミノルタで作っているものでしょうか。

      >「物まね」を過ぎて、もの作りに「革新」の力を持ち始めているのかも知れません。

      確かに。でも耐久性、信頼性で日本ほどキワメようとはしないと思いますから、じきに東南アジアに支那も負ける運命だろうと思います。
      その東南アジアが支那と同じように進んで・・・一周したらまた日本のモノ作りの時代が来るかな。

      • びっくりぽん より:

        私もドローンを持っていて、耐久性は確かになさそうですが、いずれより高性能な新機種が出れば代替機になるだろうし、耐久性を強くすると重く高価になると思います。アクションカムも同様に、「現時点での高性能機を安価に入手」できるのも、価値観として「あり」と考えます。

        むしろ、中華がどうこうよりも、日本のもの作りの衰退が心配です。人件費を「コスト」と考えて、削減してきた日本社会にツケが回ってきたのではないでしょうか。

  2. ブルーベリー より:

    中国車は品質向上が目覚ましく、韓国は危機感を露わにしている。
    品質は韓国車と同等で、価格は4割も安いからだ。
    今、中国に喰われているのは韓国だが、10年後は日本も危ないと思う。

    いずれは、IBMのパソコン部門のように中国企業に買われるメーカーも出てくるでしょう。
    三菱自動車とか・・・・

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