“グローバル化”でレベルが低下しちゃったでござる ~日本の大学~

昨夜、サンクトの某レストランで知人達と食事をしている際に、『サンクトの街の中を歩いていて気付いたが、以前に比べて支那人の学生のような若い人が多くなった』と振ってみたところ、複数がそうそうと一斉に言い出して少々面食らったが、どうやら現実のようだ。
中には『Yellow Peril』(黄禍)だと冗談交じりに言うのもいたので、それは(筆者を含めた)日本人も含むか?と苦笑しながら聞いたところ、日本人は今も昔も少ないし、脅威ではなくパートナーだと苦しそうな答えが返ってきた。ったく、このロスケめっ!(^^)

spb_06-2012_university_embankment_01サンクトペテルブルクには大きな大学としてサンクトペテルブルク国立総合大学(写真、職員15,000人、学生39,000人、СПбГУエス・ペ・ゲー・ウー)と公立サンクトペテルブルク工科大学(教職員3,000人、学生30,000人、国立工業大学とは別)という大きな大学がある。サンクトペテルブルクが頭に付く大学(と準じるもの)はこの他に、財政・経済大学、鉱山大学、美術大学、音楽院、神学校とあるが、芸術関係を別とすると一般的な留学生が多いのは何といってもサンクトペテルブルク国立総合大学(国立総合は省略されることが多い)で、ノーベル賞9人輩出(ロシア最多)で、モスクワ大学(МГУ エム・ゲー・ウー)を日本の東大とすると京大のような位置づけだ。学部も24と多いが、学部のカウントの仕方やカテゴリー分けは日本とはだいぶ違うので単純に比較はできない。例えば自然科学系では数学・力学部と応用数学部といった独立した学部があったり人文系では日本には無い軍事学部や哲学部、心理学部といった学科のような学部があったり、法学部とは別にジャーナリズム学部があったりする。出身者にはレーニン、ツルゲーネフ、ストラヴィンスキーなどもいるし、プーチン、メドベージェフもここの出身だ。

統一国家試験+専門的知識による入試の競争倍率は15倍前後の狭き門でまさにロシアのエリート養成大学であるが、入試の際に国費入学希望と私費入学希望で分けて行われることが日本と最大の違いだろうか。希望者の比率は7:1くらいだそうだ。
当然私費入学のほうがハードルが若干低いわけだが、ここに外国からの留学生が殺到するようで、支那人学生の増加はこの部分らしい。
厳しい経済制裁を長期間受けても、国公立大学の大部分を無償のままで続けているロシアもさすがだなと思うが、一方では私費でもOKという富裕層の子弟を受け入れて大学経営もそれなりに考えるあたりは日本も見習うべきだろうと思う。人材の育成こそ国家の最優先課題であるという意識は日本の政府には無いらしい。
政府にはというよりも立法すべき国会議員にそういった意識が無い(低い)ため教育行政がおかしな方向に行くのである。(Fラン大卒でも議員さんになれるからなぁ)

先般、世界の大学ランキングがイギリスのTHE(教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)から発表されて日本のマスコミは一斉に記事にしているが、イギリスは伝統的にこういった教育機関のランキングが好きで、同じようなランキングを出しているイギリスの世界大学評価機関のQS(クアクアレリ・シモンズ)も2週間ほど前に発表している。世界的な大学ランキングは例えばサウジアラビアのCWURや支那の上海交通大学のARWUもあるので、自分の母校などを調べてみると良いかもしれない。ちなみに、筆者の母校と在籍経験のある3つの大学を調べてみたところ、
THE 39位、96位、351位
QS 34位、74位、400位
CWUR 13位、231位、1000<
ARWU 20位、201-300、500<
と様々だった。

評価項目とそれらの重みづけがそれぞれ違うためランキングはだいぶ違うが、THEやQSは基本的にイギリスの大学が上位に行くような評価をしているように感じる。
ランキングはいわば債券・株式等の格付け会社のようなものである(^^)が、研究機関としての評価位置づけではTHEもQSも論文引用数として、世界最大の文献データベースElsevier’s Scopus(通称スコーパス)を使用していて、この部分の評価は客観的で参考になる。
また、QSは企業からの評価も重要視しているのがユニークであり、THEよりも筆者は現実の評判に近い気がしている。
QSではアジア地域のランキングも発表していて、2016年のTOP250では、
国際教養大学 137位(2015年は201-250の群)
秋田県立大学 211-220の群(2015年は201-250の群)
と健闘している。秋田大学は残念ながらこのランキングに名前が出たことは無い。
秋田でこんな記事を見たことは無いが、ローカルメディアは関心も無いのかもしれない。

現在、グローバル企業でこういった大学ランキングで最も評価され利用されているのは実はイギリスのTHEやQSではなく上海交通大学のARWUと言われている。
企業による評価に寄り過ぎているという議論もあり、支那人の留学先の多いアメリカの大学が上位に来る傾向はやはりどこかバイアスがかかっている気もするのだが・・・。
いずれにせよ、ランキングの多少の上下や順位ではなく、大雑把に500や1,000といった大学を並べた時に必要とされる評価基準で一定の水準を持ち、総合ランキングで名前が出てくることが重要であり、その点では秋田のAIUや県立大は単科大学のように学部数も少なく、学生にとっては人的交流・人脈形成の点でお話にならないものの、小さいサイズながら健闘していると言える一方、秋田大学は研究・教育機関としての価値は低いことが十分明らかで、単なる『大卒資格』取得のための機関であると言えるかもしれない。
血税も投入されているのだから、同様の各地の駅弁大学と統廃合し、内容の充実を図ってもらいたいものだ。

ところで、先日、日経新聞で、
東大・早慶は「敗者復活戦」 殺到する中国留学生
という記事があり、なかなか興味深かった。
支那の一流大学に入れなかった学生が日本に留学する動向について書かれたものだが、日本の少子化によって大学経営の観点から留学生を受け入れるのはわかるが、それらの留学生が日本の税金から授業料、生活費を支給され学歴を母国に持ち帰る一方、日本では経済的な理由で大学に進学できない若者が大勢いるといった現実はおかしいを通り越して国家として狂っているとしか思えない。
さらに、留学生を受け入れることで高度な研究や教育を日本人が母語で行える環境が無ければ研究・教育のレベルはどんどん低下していく。世界ランキングの低下はそれを物語っていると考えられる。
経済的な面でも、将来の日本を担う人材教育の面でも、国益を悲劇的に棄損しているのが現在の日本の大学の実状ではないのか。


earl-klugh-finger-paintings今日の一曲
1977
Earl Klugh “Dance with Me”(Album: Finger Paintings)
そろそろ秋っぽい曲を探してみた。アール・クルーは日本のTVの天気予報のBGMなどで最も多く使われているアーティストの一人ではないだろうか。代表曲1曲をというのが難しいギタリストである。


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“グローバル化”でレベルが低下しちゃったでござる ~日本の大学~ への4件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    東京商工リサーチの秋田県内企業社長の2015年出身大学調査によると、
    日本大学(229人)が6年連続で1位。 秋田大学(144人)が2位、ノースアジア大学(132人)が3位。

    秋田大学は、経営面の人材育成でもノースアジア大学と同レベル。
    本来なら地域をリードすべき存在だが・・・・秋田大学は人材を潰してるのが現実。

    私大出身者のほうが、地域のために活躍してる。
    秋田大学は秋田衰退の要因の一つ。

  2. ダメ出し より:

    日大やノースアジア(といっても旧経法大でしょうけど)大卒の社長ってほとんど2代目、3代目の世襲ボンクラじゃないでしょうか。
    秋大は経営者育てるような学部はありませんから、起業や地域に貢献とは無縁でしょう。

    秋大の周囲の飲み屋が衰退しているのは事実です。(笑)

  3. ブルーベリー より:

    ライトノベルの主人公は努力しちゃダメなんです。読む側が自分を投影できなくなるからです。
    今のライトノベルの多くが、そういう設定で書かれていますよ。
    今は努力できる立派な人物が主人公だと、読む側が気後れして感情移入できないんですよ。
    http://www.yomiuri.co.jp/yolon/ichiran/20160923-OYT8T50010.html

    昔と違って、今のライトノベルやアニメは 「主人公が努力しない事」 が基本なんです。
    ライトノベルはユトリ世代の趣向に合わせて、売上を年々伸ばしています。
    以前は、中高生向けだったけど今は20・30代が読んでいるのです。

    ユトリ世代は努力しなくとも、進学・就職できますから、
    努力しないから能力が伸びず、「社会が悪い、国が悪い」 という風潮が顕著です。

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