タブーに切り込むきっかけになるか ~電通・架空請求問題~

日本の既存メディア(特にTV、ラジオ)が電通に支配されている構図は以前から周知のことだし、多少の事件性があっても既存メディアで取り上げられることはまず無いのが常識だったものの、9月23日午前に日経新聞が、
電通、16時に情報開示 ネット広告の不適切対応問題で
と報じてから、日経が立て続けにこの事件を扱っている。(筆者は時差の関係で夕方の記事で気付いた)
従来から、温泉番組等の娯楽番組を中心に電通の専属放送局とも言うべきテレビ東京(株主のホールディング企業の株主の筆頭は日経新聞社)は別として、日経新聞は電通とは比較的距離を置いているとされてきたが、今回の件でそれが改めて確認された格好だ。(頑張れ、日経新聞!)

しかしながら、同日17時配信では、
電通、2億円過大請求 ネット広告に冷や水も
という記事の中で、『故意や人為的なミスによって~』『運用状況や実績について虚偽の報告をし、実態とは異なる代金を請求』と、やや遠慮がちな記述である。
故意で実態とは異なる請求、これを世の中では、
架空請求
と言うのが普通だ。既存メディアが嫌うネットでは架空請求は即、犯罪扱いである。電通との違いは請求元と連絡先が明らかなだけである。

dentsuそもそも電通の正体は・・・だとか、電通の創業の歴史は・・・といったものは、様々な書籍やネットで暴露されているため触れる必要もないが、現在の公表されている事実だけでも総合広告代理店としては業界で異常なポジションと規模なことはわかり、その影響力がメディアだけではなく政府や自治体のイベント(タウンミーティング等)などにも及んでいることは徐々に知られてきている。電通が戦前満州の関東軍の諜報・宣伝・宣撫活動の片棒を担ぐことから規模を拡大し、そこには阿片に纏わる金と人脈(岸や大平といった元首相も含む)が見えることは歴史的な事実である。(写真は電通社内とされるもの。イイ趣味だよなぁ(^^))

電通の企業規模としては、2015年度の売上ランキングで上位5社を比較しても、
電通 1兆5,351億円
博報堂 6,587億円
アサツーディ・ケイ 3,520億円
サイバーエージェント 1,421億円
大広 1,400億円
これ以外にも14位電通東日本471億円、16位電通九州410億円という名前も出てくるように、とにかく圧倒的な一人勝ち状態なのである。その影響力は中央ばかりか地方も含めて既存メディア全てに及ぶと言っても過言ではない。

そんな電通が今回、日経の報道直後(同日)に副社長が記者会見し、社内調査で633件、対象となる企業は111社、金額は2億3千万円と発表したのは、情報公開は遅れれば遅れるほどダメージが大きいという鉄則を踏まえた対処だっただろうし、日経新聞の第一報ギリギリまでそれを抑えるべく様々な駆け引きがあっただろうことが推察される。しかし、633件、111社、2億3千万円という具体的な数字が即出てくることはある種異様である。

不正(架空)請求を指摘したのはトヨタだとされるが、ネット広告での不正あるいは疑義を指摘するためにはデータが必要である。
Web上のネット広告は、ブラウジングしている人はわかるだろうが、ユーザの承認を受けて興味や関心のある広告を自動的に表示させるオプト・イン過去に注文・購入したユーザに承認無しに表示させるオプト・アウトがある。2008年の改正によりメールで送りつけるものは前者のオプト・インしか認められなくなったがWeb上の広告はそれに縛りを受けない。
トヨタはこのオプト・イン広告を電通に委託して契約通りに運用されているかどうかをチェックしたのだろう。
このチェックには例えばダミーのユーザ1,000人分程のオプト・インを受ける仕組みを作り、表示される広告のURLなり画像なりを自動的に計測する方法を使う。少し昔はアルバイトを使って何人分かのダミーユーザを担当し、データ収集・解析をしてきちんと表示されるかどうかをチェックした。

筆者の推察ではあるが、トヨタがこの自動計測を行ったかどうかは不明だが、もしそういったS/Wを用いたのならばそれは海外製のある企業のS/Wだろうと思う。
つまり、陰謀論めいたことを勝手に書くならば、トヨタを使って電通に対抗する勢力が動いたというのが筆者の邪推(妄想?)である。

l_bit201608151546547665広告代理店は世界的には、四大メガ広告代理店が支配する格好で、日本では電通が一人勝ちとはいっても、トップのWPP(英)の1/3に満たない。
ちなみに、このWPPは租税回避のために本社はアイルランドのダブリンに置き、日本のアサツーの筆頭株主でもある。
TPPによるヒト・モノ・カネ・サービスの自由化が進めば、電通もウカウカしていられない現実が目の前にあるのも確かだ。4大メガ広告代理店が本格的に日本参入を狙い始めたとしてもおかしくはない。

電通は既存のTV、ラジオ、新聞といった既存メディアをコントロール出来た。しかし、少し前のフジTVの視聴拒否や花王の不買運動のようなインターネットでの大量の個人からの情報発信をコントロールできないことは早くから気付いていたはずだし、オプト・インとビッグ・データ処理を利用したマーケティングの有効性もわかっていたはずだ。
しかし、同時に広告代理店としての従来の手法の限界を知り、その限界をできるだけ大衆に気付かせないように慎重に配慮もしていたはずだ。

これはNHKや他の民放キー局も同じで、デジタル化によって双方向通信が可能ならば視聴率をリアルタイムに計測できることは皆わかっている。世論調査を未だに固定電話向けのRDDで行う偽善は度し難いものがある。
そして、電通を使う政府も同様で、タウンミーティングを企画・開催する場合に同時に地デジ放送を使ってYes/Noなどは全国から即座にデータを集められることはわかっていても、政府が望ましい世論、アンケート結果を得る必要がある場合には時には拙い結果を生むため、ICTを駆使する危険は冒さないのである。

あり得ないことだが、電通はネットの可能性を十分にわかっていながらも長年の独占体制によってネットの技術的な諸刃の剣の怖さを軽く見て、何かあっても力で抑えられると過信したのではないか。
電通は現在Googleにアプローチしていると言われる。Googleというプラットフォーマーを使って広告や世論をコントロールできるようになることが命題だろう。
プラットフォーマーも広告代理店と同じく思想・信条・善悪といった価値判断はしない。金を出してくれるクライアントの意向に沿えばいいのである。(本来そういう商売)

現在大詰めで予備選投票も始まったアメリカ大統領選、あの2人の候補の広告費用は小規模な国家予算レベルで、そこでもバックグラウンドで動いているのは広告代理店である。
民主、共和の候補者が1人に決まってから本選まではメディアは少々それまでよりも静かになるが、実は巨額なマネーが飛び交うのが最後の3ヶ月であり、広告代理店が儲けるのはこの期間である。その暗闘で勝つ者が大統領になる、アメリカ大統領選とは以前からそういうものだ。

今回の事件とその報道も、もしかしたら4大メガ広告代理店がトヨタという巨大企業に働きかけ、電通にデータを突き付け、電通は認めざるを得なかった。それを嗅ぎ付けた日経新聞が電通の引き留めを断って先行報道した。
電通はミスを早くから知っていたもののネットの持つ技術的なものを軽視し過ぎたのかもしれない。
というのが真相ではなかろうか。
もし、そうなら日経新聞は今後も他の広告主を取材し、オプト・イン広告での不正の実態などを暴くだろう。
その結果、ニヤニヤしているのは誰かを想像するのは少々楽しいヒマ潰しである。

潰れていいよ、朝鮮企業の電通は。
(以上、筆者の妄想半分)


hino-terumasa-daydream今日の一曲
1980
日野皓正 “Still be Bop” (Album: Daydream)
動画は新宿ピットインでのライブ。この時は行けなかったが、後に日野のライブは新宿、六本木で何度か聴いた。無論、Jazzトランペットだが、80年代初めはいろんなミュージシャンとコラボしたり、日野自動車のCMで使われたり・・・。熱いパフォーマンスが多かった。


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タブーに切り込むきっかけになるか ~電通・架空請求問題~ への2件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    電通は日本で儲けたカネで海外企業を買収し、すでに売上の6割を海外で稼いでいます。
    急速に縮小する国内市場に見切りをつけ、軸足を海外に移している訳です。

    日経も英フィナンシャル・タイムズを買収し、経済紙発行部数で世界一になりました。
    一方、国内にシガミついてるテレビ局などはジリ貧です。

    残念ながら、電通は日本がなくなっても倒産しそうにないですね・・・・ (・д・)チッ

    • argusakita より:

      海外といってもアジアの一部でしょう。
      欧米で電通はまだまだ何それ?の世界です。

      >残念ながら、電通は日本がなくなっても倒産しそうにないですね・・・・

      わかりませんよぉ(^^)

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