口琴との遭遇

欧州に仕事の軸足を持ってきて日本と行ったり来たりが既に10年以上になるが、最初の頃は仕事もボチボチだなと開き直ってウィーンの小さな飲み屋やライブに出かけたりしていた。
ライブとは言ってもそこはやはり音楽の都ウィーン、クラシカルやジャズはもちろん様々な民族音楽が入り混じって存在し、音楽好き、特に自分で楽器を演奏する趣味がある者にはたまらない魅力がある。
maultrommelそのウィーンで8,9年前に知人とたまたま入ったライブの店で少々衝撃を受けた音楽があった。
Jew’s harp(ユダヤのハープ)である。ドイツ語でMaultrommel(口の太鼓)、日本語では口琴(こうきん)というが英語で何故ユダヤのハープなのか定かではない。

口琴とは何かは見れば誰でもわかる。
これは、ロシアで結構人気のあるОльга Подлужная(オルガ・ポドルジニャ)の演奏。(声を出しながら演奏している)

そう、日本人にとっての口琴はあのアイヌのムックリなのである。否、正確には口琴の種類の一つがアイヌのムックリなのである。
そのライブの店でMaultrommelを演奏していたのは男だったが、もっと野太い感じの音で、独特の音とリズムをジーッと聞いていると(酒のせいもあるが)、少しトランス状態になるといっても大げさではない。

恥ずかしい話、筆者はアイヌのムックリは中学の時の修学旅行で北海道に行ったときにほんの数分聞いただけで、竹製の原始的な民族楽器の一つなのだなという認識しか無かった。
しかし、ライブで聞いたのはもう少し大きな金属製の楽器。一緒に行った知人によれば欧州ではMaultrommelはさほど珍しいものではなく、いわゆるクラシカル音楽以前からオーストリアにはあったらしい。
なんと、ベートーベンの師匠の一人であるアルブレヒツベルガーは口琴協奏曲ホ長調を作曲している。

その後、気になっていろいろ調べて、欧州各国(アルプスよりも北)やロシア、中央アジアでは似たようなものが沢山あることがわかった。
今では、通販で各国の口琴を沢山扱っているショップもあるくらいだ。
ライブで演奏者が使っていたのは、まさに写真のようなものだった。(このネットショップではキーを選んで購入できる)

img_0511 img_0507

写真は、以前ロシアのカザフスタンに近いУфа(ウファ)に行った際にたまたま見物した地元の祭りだが、ここでも口琴の演奏を見ることができた。この写真のような遊牧民族の伝統を抱え、尚且つ彼らの多くはイスラミックだったりするのがウファの人々だが、日本人の頭にあるステロタイプなロシア人とは違うロシア人もいるのだ。

カザフスタンやモンゴルの見渡す限りの大草原で口琴の音をジーッと聞いてみたいものである。


toots-thielemans今日の一曲
2001
Toots Thielemans & Kenny Werner “Autumn Leaves”
口琴をハーモニカと混同している人もいるらしい。そこで今年8月に亡くなったジャズ・ハーモニカの第一人者トゥーツ・シールマンスから1曲『Autumn Leaves』
1979年のBill EvansとのAlbum:Affinityが有名だが、Kenny Werner(ピアノ)との共演。


 

 

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