補助金はプロ農家だけを対象とすべき

元匿名希望の傍観者さんからのリクエストもあり(^^)、2018年度に廃止されるコメの生産調整(減反)について落書き。
農業とは一切縁がなく、消費者とは言っても海外暮らしが大半のあまりコメを食べない現状ではコメを巡る問題は最近では親近感が無いため、自身への影響はほとんど予想できないが、かつての闇米を巡る問題を眺めたりしていたことやコメ作りが主力産業の秋田(数字的には既にノスタルジー)に縁がある者としてはそうそう無関心ではいけないのかもしれない。

hqdefault2013年末に政府は2018年度からのコメの生産調整(減反)廃止を決めたわけで、補助金そのものが、都道府県ごとに何らかの管理機構を設けて進めている農地の集約・大規模化を進める政策と矛盾しているのだから廃止は当然で、5年も待つ必要があったのかどうかも不思議である。
5年待てば、TPPの外的圧力で規制も取っ払えて農協も解体、聖域に近いコメを市場原理に持ち込めるだろうし、平均年齢が60代後半といったことで後継者不在の場合は零細農家が多数自然消滅するだろうというヨミで5年という時間を設けたのかもしれない。
ただ、その肝心のTPPが漂流しそうな気配で厄介なことになってきたが、減反廃止は予定通りなようだ。

国の政策は予定通りなものの秋田県は減反廃止後も当面、県が『生産量の目安』を示す方針を決めたそうで、一見すると激変緩和を避け、農家保護のように見えるが、元匿名希望の傍観者さんが書いているようにこれは農政におけるイニシアチブをあくまで手放さない、県がコントロールするという宣言(恫喝?)に見えなくもない。
国が決めてから5年後に実施なのだから激変緩和など笑止である。
5年で変われなければそういった農家は今後も市場原理でやっていけるわけが無く、淘汰されて当然である。
年寄りが多く・・・ということならコメ作りは趣味の範囲・自給の範囲に留め、市場に出荷させないのが適当で、その収入減緩和やセ-フティネットには生活保護を適用したら良いくらいだ。

農業、特にコメ作りは単純な作物栽培の話ではなく、耕地区画の整備、用排水路の整備、土層改良、農道の整備といった具合にいわば土木との関連性が非常に強いことは知られていることで、県の公共事業であり、秋田のような地場産業の無い地域では土建業者のメシのタネでもある。コメ作りは土木業者のためでもあったのが歴史的な事実。
補助金廃止とコメの作付の自由化(無制限では無さそうだが)によって耕作放棄が続出すると、この公共事業のタネが無くなる。また農地集約によって株式会社の参入等が当たり前になれば、上記の圃場整備などは資金力のある民間が市場原理に委ねて独自に行う可能性がある。
民間へのシフトが起これば、そこに行政が入る余地は少なくなり、結果的に公共事業の采配も減少することになるのである。これは裁量で暮らしている地方の木っ端役人にとっては仕事が無くなる話である。

元匿名希望の傍観者さんが書かれたように、
>減反を機に好きに作らせるほうがいいと感じてます。外米(短粒米の方です)と値段的に競争できるくらいの値段になるべきではないかと。

全くその通りである。
好きなように作らせ、売れないならもっと美味いコメをと。多少不味いなら安く。当たり前のことをしたらいいと。売れるものを作るように頭を切り替えてもらわないと。
そもそも近年は『あきたこまち』も各地で作付けされ、支那でも商標登録され、実際に作付けもされて出荷されているようである。また、各県で食味の研究などが進み『あきたこまち』の等級も相対的に低下、人気に翳りも見える今、従来と同じことをしていては食っていけないという危機感が無いとしか思えない。これは現在、どんな産業、商売でも皆が抱えているものである。

全国で専業農家でプロ意識の強い『プロ農家』も増えているという。
安倍首相の『農家が自らの経営判断で作れる農業を実現する』を是非具体化して欲しいものだ。
ただ、自民党も闇雲に農家の票を減らすようなことばかりしているわけではなく、増産する家畜飼料米への補助拡充や、農地維持の名目で支給する補助金は廃止されないようである。おそらく秋田県も県北部で生産されるカドミウム汚染米(毎年2~3万トン)の買い取りは継続するだろう。汚染米ができるのをわかっていて作付けするのは公金搾取ではないのか?
『自らの経営判断』のできない農家は黙って補助金に代わるもので我慢しろという見方もできないではないが、他の産業から見たら当たり前の感覚に近い。(普通は補助金さえ無い)

過去、農政はコロコロと変節してきて、そのしわ寄せが農業・農業従事者全体に積もってきたのも事実だろうし、元凶は自民党農水族である。
しかし、安倍首相の『過去の農政の流れを抜本的に見直すもの』という論点はそれこそ非可逆的・最終的なものにして欲しいものであり、そのためにも、(公共事業と一体の裁量を持つ)県ではなく”市町村が”認定した『プロ農家』に経営支援を集中させるべきだというのが筆者の自論である。
横並びの農家保護が絶対必要という視点は筆者には産業保護ではなく『福祉』に見える。

結果的に農協が無くなって、補助金が無くなった状態になったときこそ農業改革達成なのではないか?


something_about_the_way_you_look_tonight__candle_in_the_wind_1997今日の一曲
1997
Elton John – Candle In The Wind
本来は、1973年にマリリン・モンローに捧げた曲。
しかし、1997年に亡くなったダイアナ元英皇太子妃に捧げるとして、Something About the Way You Look Tonight / Candle in the Wind 1997 あるいは”Goodbye England’s Rose”としてリメイク。1997年9月6日に行われたダイアナ元英皇太子妃の葬儀でエルトン・ジョンが歌った。


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補助金はプロ農家だけを対象とすべき への6件のフィードバック

  1. リクエストにこたえていただきありがとうございます。感謝!感謝!

    でも、私としてはArgusさんにまったく同意なので付け加えることはありません。

    ただ、農家の立場からとか、農政を進める議員の立場からとか、見方の違う方からのコメントが付くことを望みます。

    • argusakita より:

      うっ、
      >でも、私としてはArgusさんにまったく同意なので付け加えることはありません。

      おヒマな時にぜひ突っ込み、ダメ出しを。

      コメからダイズや花卉などへの転作は順調なのでしょうか?

  2. ええと、言い出しっぺですから、雑文を描かせてもらいます。

    農業に対する知識はここから仕入れています。
    http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/
    確かこの人は、カルビーと契約しているじゃがいも農家のコンサルをしていた人のようです。

    それで、この人のブログを見ているうち、加工用農産物を作っている農家の方が栽培技術を持っているのではないかと感じるようになりました。

    加工用は、素人は大きさが不揃いでもいいと思うでしょうが、加工場も商売ですから効率をあげようとするので、逆に大きさが揃った良品が喜ばれるそうです。それに、契約したからには、その量を確実に揃えなければいけないそうで、天候不順でもある程度の収量を上げる必要があるようです。
    ですから本当に技術のある農家は、加工用農産物を作っている農家の中にいると思います。

  3. argusakita より:

    農協改革で最終提言=猛反発受け全農任せ-推進会議

    これ、凄い喧嘩に見えますが、日本のニュースではどんな扱いなんでしょう?

    >全農改革で進展が見られなければ国が全農に代わる新たな組織「第二全農」設立を推進
    規制改革推進会議も思い切ったタンカ切ったものの腰砕けのようですが。

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