注目のオーストリア大統領選(青か赤か)

明日4日に行われるオーストリア大統領選は、極右・自由党のホーファー候補とリベラル・緑の党元党首のファン・デア・ベレン候補の大接戦が予想されている。
vienna-co5月の決選投票の際の不正発覚により裁判所によって命じられたやり直しだが、『反エスタブシッシュメント・反難民』を掲げるホーファーはまるで米大統領選のトランプのようで、米大統領選の結果が影響しそうな勢い。
これをリベラルが阻止できるかどうかが焦点だが、本当はオーストリアの大統領は象徴的・儀礼的なもので、実際の政治に大きな権限は無い。

ABD0129_20161202 - WIEN - …STERREICH: BundesprŠsidentschaftskandidat Alexander Van der Bellen am Freitag, 2. Dezember 2016, anl. des Wahlkampfabschlusses Initiative "Gemeinsam fŸr Van der Bellen" in Wien. - FOTO: APA/GEORG HOCHMUTH

ABD0129_20161202 – WIEN – …STERREICH: BundesprŠsidentschaftskandidat Alexander Van der Bellen am Freitag, 2. Dezember 2016, anl. des Wahlkampfabschlusses Initiative “Gemeinsam fŸr Van der Bellen” in Wien. – FOTO: APA/GEORG HOCHMUTH

オーストリアでは2008年から国政の選挙権が16歳以上(有権者が45,600人増加)であること。日本の16歳(高校1年生)を考えると選挙権はどうかなぁと思えるが、人口830万という国では重要な有権者である。ウィーンでは2005年の議会選挙で16歳から投票できたが、結果的に16~18歳の投票率が他の年齢に比較して遜色ないことがわかったため国政選挙も16歳以上になった。
日本のように政治と教育を意識的に切り離すのは現代社会でどうなのかと筆者は思っているが、オーストリアのようにきちんと政治教育(義務教育最高学年の14歳から必修)をすべきではないか。

日教組という戦後のガンのせいで、日本では政治教育はある意味タブー視されているが、SEALDsのような馬鹿学生達の集まりを見ると、早い時期からの政治教育は必要で、偏向した政治教育のリスクよりも、『政治教育をしないリスク』をそろそろ認識すべきだと筆者は考えている。政治的中立性を教師に求めるのは非現実的なため、教育現場に各政党から均等に議員なり講師を呼んで政治に纏わる話をさせたらいいいのだ。
中には『あー、政治屋ってのはこんなにアホなんだ』とすぐに見抜く子供もいるだろう。

大統領選の件に戻るが、今回の選挙では選挙前の世論調査をメディアは掲載しない。その代わり、二人のTV討論会を繰り返し行っている。デスクを挟んで対峙する迫力満点の討論会(^^)。下手なバラエティよりはおもしろい。
ただ、その中身は酷いもので、罵りあいが中心で相手を罵倒する単語が次々に出てくる。
ただ、ホーファー候補は見た目通りクールな感じで、日本の民進党や共産党の国会質疑にありがちなキーキーと糾弾・追及するようなトーンではない。これが優し気な表情と合わさって人気のある理由でもある。エモーショナルになりがちな女性とはいえ、国会審議で目立つ角でも生えそうな表情の蓮舫や共産党の吉良などは少し見習って欲しいものだ。(まあ、民進、共産はほとんどそんな連中ばかりだ)
討論会は幼稚園児の喧嘩並と言われるくらいだが、それを視た16歳の有権者はどう捉えるかは、少々考えさせられる。

もし、ホーファー候補が勝つとEUで初めて極右の大統領が登場することになる。ヒトラーの生地であるオーストリアでそれが起きれば、政治の実権は無くとも象徴としての意味は大きく、各国で台頭する右派、極右を勢いづけることは間違いない。来年のフランス大統領選やドイツ総選挙にも間違いなく影響がありそうだ。
また、極右の大統領となれば、首相・内閣とギャップが生じ内外共に混乱もあり得る。そうなると2018年の議会総選挙が前倒しになる可能性も指摘されている。

明日の選挙は欧州全体が注目している。


kenny-g-have-yourself-a-merry-little-christmas今日の一曲
Kenny G “Have Yourself A Merry Little Christmas”
1944年のJudy Garlandの名曲をロングトーンで有名(ギネス登録)なKenny Gが奏でるとこうなるというもの。
Saxはこういう風に斜めにくわえて奇麗な音を出すのが実は難しいのに軽くやってるのが凄い。
これを流しながらホテルで夜景を見ながらワインを・・・というバブルの頃のようなリア充もいるだろうか。


子供向けには、こっちもいいかな。

 


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注目のオーストリア大統領選(青か赤か) への8件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    12月4日のイタリア国民投票の焦点
    http://www.mag2.com/p/money/28324
    http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10203860S6A201C1000000/

    イタリアでも、明日、憲法改正の国民投票があり、ブレグジット以上の重要な投票だそうです。
    首相は「否決なら退陣する」と言っていますので、2017年半ばにイタリアも総選挙を行う可能性も出てくるとのこと。 

    首相が否決で退陣するかは不明確ですが、否決で、ユーロ懐疑派の「五つ星運動」や「北部同盟」が勢いづくのは確実です。  
    銀行などの問題が多いイタリアは脱ユーロの発火点になるかもしれません。

    • argusakita より:

      全くの個人的な予想ですが、イタリアは国民投票で賛成多数でレンツィは勝つと思います。もし負けても、IMFと欧州委員会は緊縮財政をあまり求めず、EU離脱を阻止する構えですからすぐに対応を見せるはずです。
      勝っても負けてもユーロは大きく買い戻しが入ると思いますので為替は注意でしょうね。

      五つ星運動は、ローマ市長を中心に元気ですが、ローマ以外ではイマイチ盛り上がっていなくて、ラテン民族という色合いを感じます。

  2. 彩の国 より:

    問い合わせですがよろしく御願い致します。
    この間の都知事選に出馬した元・在特会の桜井氏に関してのブログを先日ですが途中まで見出しまでしか拝読しなかったのですが続きを見ようと探しているのですが見当たりません。アップした日付などわかりましたら教えて頂きたいのでよろしく御願い致します。

  3. argusakita より:

    ファン・デア・ベレンが辛うじて勝った模様。
    5月のように開票作業に問題が無ければだが。

  4. おおつか より:

    グローバリズムが進んだことによって、ナショナリズムが高揚してきましたね。
    極右政党が台頭してきたことを不安視するメディアが多いです。
    極右政党の台頭は、移民の問題が原因であるとかいろいろな要因はあるでしょうが、まだはっきりとした原因はわかっていないんじゃないかと思います。
    私はグローバリズムが進んだことで、逆に国民が「国家」や「国民」というものを意識してきたんじゃないかと思います。ナショナリズムも進むべき方向を間違えなければ、国家や国民にとって良いことではないでしょうか。

    • argusakita より:

      こんにちは
      グローバリズムに対抗する形で沸き上がっているのはナショナリズムでしょうか?
      単に反ポリコレのムーブメントのような気がしています。

      >ナショナリズムも進むべき方向を間違えなければ、国家や国民にとって良いことではないでしょうか。

      その通りだとは思いますが、国民国家の基礎になった17世紀のヴェストファーレン条約からやり直せということなのかも。戦争必至ですが・・・。

  5. おおつか より:

    単に反ポリコレのムーブメントのような気がしています。
    あー、たしかに一理ありますね。
    でも昔からそうだったのかもしれませんが、国民が何かに対して常にイライラしているというか怒っている状態だと感じます。日本では特に90年代後半からかな?国民がなにかに怒っている状態が顕著だと思います。まぁ昔と言っても、私は84年生まれなのでそれより前のことはわかりませんが笑

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