アメリカ抜きの新TPPを

日本では、TPPは12月9日の参院議決で国内手続きは終わったが、アメリカのトランプ次期大統領が不参加を表明しているため発効は絶望的とされているようだが、果たしてそうだろうか。確かに発効に関しては不透明感があるが、筆者はそれならばアメリカ抜きでTPPの枠組みを作り直せばよいと考えている。(ただし、最終的にはアメリカにも参加してもらわないと困るが)
TPP発効には参加国のGDPの85%を占める6カ国以上の批准が必要という規定があるため、60%を占めるアメリカが参加しなければTPP自体成立しないと思われがちだが、実際にはその規定を11カ国で修正・削除した上で、アメリカ以外の参加11カ国で新TPP協定を締結し直せばよいだけではないか。

既に参加国のうちペルーやメキシコからはアメリカを外し新TPPを構築すべきという声が上がっている。日本は決してアメリカ外しについて言及しないが、実は政府内部にもその意見があるのではないかと筆者は推測している。
そもそも、アメリカを除外した新TPPが構築できれば、7万トンのコメ特別輸入枠を修正あるいは削除できるし、アメリカを意識した農産物関税に関しても日本に有利に作り変えるあるいは規定の撤廃も可能性が出てくる。
さらにISDS条項や新薬の保護期間や農薬やGMO/GMCに関してアメリカ主導で決まった規定も見直しが可能になる可能性もある。
ん、TPP反対派の論拠がほとんどクリアできるではないか!?

アメリカ抜きの新TPPを構築できれば、もしアメリカが後から『入れてくれ』と言ってきた場合に11カ国でまとまって強気に出ることができる。(日本が言わずに他の10カ国に言わせてメディアを通じてプレッシャーをかければよい)
例えば、オーストラリアやニュージーランドからの牛肉は関税9%に引き下げられるが、アメリカは38.5%で維持だったわけで、これを後から参加する場合には9%に下げざるを得ない。同様の関税格差の事態が豚肉、小麦、乳製品などにも言えるため、アメリカを後から参加させるのは日本特に消費者にとって非常に有益である一方、アメリカにとっては有利な主張をしずらい状況ができる。もし、ワリを食う事態になればアメリカはトランプ批判も出てくるだろうし、そもそも自由貿易推進派が基本である共和党から一層不協和音が出てくるのは必至だ。

むしろ問題は、トランプがTPPではなく日米FTAといった2国間交渉で日本にあれこれと難題を突き付けてくることだろう。おそらく現状のTPPの要件そのままで日米FTAをトランプは要求するだろうが、過去の日米貿易摩擦(半導体、自動車、オレンジ、牛肉)を見てもわかるように日本側に交渉カードは無いに等しく、安全保障まで絡められると日本側があらゆるものを飲まざるを得ない状況になるのは目に見えている。
これは、かつてアメリカ相手に一国単独で太平洋戦争を戦ったようなもので非常にキツい。
11カ国でアメリカに対してある意味上目線でいけるのは新TPP&アメリカが後から参加という状況の場合だけである。
これはなかなかおもしろい展開ではないか?

ニュース的な通商の枠組みとしてRCEPというさらに大きな枠組みの構想もあるが、TPPの要件を拡大延長したものとしての実現性は極めて低いだろうと筆者は予想している。
何故なら、RCEPを主導する支那がTPPほど高いレベルの通商協定の内容を飲めるわけがないことだ。
例えばTPPでは労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)の法的な保証も含まれるが、これを支那共産党政府が認めるはずがない。知的財産権などの分野も同様だ。
また、高い関税率で知られるインドが関税を引き下げる可能性はよほどのことがない限りあり得ない。
人口の多い巨大なマーケットである支那とインドは通商協定を結ぶ国にとっては魅力ではあるが、こういった基本的な問題をクリアできる可能性が低いことと、国民1人1人の購買力の点で『爆買い』を期待できるのは限られた条件のみであることから、先進国のような魅力あるマーケットとは言い難いのは明らかだ。

アメリカが当初参加しないなら、アメリカ抜きの新TPPを早急に構築し、APECを基礎としたFTAAPを実現し、アメリカが後から入らざるを得ない状況を作ることが日本の国益に最も資する状況である。
日本単独でトランプのアメリカに日米FTAで対抗する悪夢は結果が見えている。11カ国でアメリカに対抗する道を選択すべきである。
幸いにもトランプは(本当かどうかわからないが)就任式当日にTPP不参加を表明するという。
日本にとって願っても無い好機ではないだろうか。
(まあ、日本の自動車業界は歓迎できない状況だろうが・・・)


artpepper-amongfriends今日の一曲
1978
Art Pepper Quartet “Besame Mucho”
少し冬に聞くといいかなと思うJazzをしばらく続けてみる。
没後35年とはいえ永遠に色あせることの無い天才プレイヤーの一人、アートペッパーのBesame Muchoはそれこそスタジオからライブまで収録したアルバムがゴマンとあるが、Quartetでの演奏は1956年からいろいろあるものの、このAMONG FRIENDSが一番好きだ。アルバムとしても1974年のカムバック後の最高傑作ではないかと密かに思っている。1977年4月の来日公演(芝、郵便貯金ホール)に一緒に行ったガールフレンドは今何処?


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