欧州を動かす3人の女性

21世紀になって元首や首脳に女性が就任した国は欧州では、フィンランド、マケドニア、ウクライナ、ドイツ(現職)、モルドバ、アイスランド、クロアチア、スロバキア、デンマーク、スロベニア、ノルウェー(現職)、ラトビア、ポーランド(現職)、スコットランド(現職)、ギリシャ、沿ドニエストル共和国、イギリス(現職)となっていて、今後数年で女性元首が誕生しそうな国も多いが直近で予想されているのはフランスだろう。
反対に日本や支那やアジアの多くの国ではミャンマーを例外として当分女性元首は出てこないだろうという予測が多い。
その理由についてはなかなか興味深いが、今年、来年の欧州の動向に大きく影響を与えるのは間違いなく3人の女性である。
ドイツのメルケル宰相、イギリスのメイ首相とフランスの大統領候補ル・ペンである。
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この3人の女性の政治家としての信条や政策を見る場合には所属する政党やブレーンなどとともに見る必要があるが、生い立ちなどの私生活面を比較するとボンヤリとその個性の違いが見えてくるような気がする。

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例えば、勉強向きの頭脳かという点ではメルケル>メイ>ル・ペン、異性との関係を見た場合の保守性はメイ>メルケル>ル・ペン、母親としての融通・柔軟性の要素はルペン>メルケル>メイ、宗教観の強さはメイ>メルケル>ル・ペンだろうという推測ができる。
そういった先入観で視た場合、移民・難民・対テロについての厳しさは、
ル・ペン>>メイ>メルケル
(子供の頃の爆破テロ遭遇によるル・ペンの体験は半端ではないはず)
だろう。
対ユダヤに関しては、メルケルは歴史的な責任感、メイはイギリス金融資本との関係、ルペンは最初の夫がユダヤ人だったため、3人ともあからさまな敵対視はしないはずだ。
愛国者という点では、それぞれ突出した愛国者であることは間違いなく、EUという枠組みには本来的に馴染まないくらいであるとさえ思われる。
通貨に関してもメルケルはEUの盟主であるという自覚があるだろうから、EUが例え瓦解してもユーロがマルクになるだけと思っているフシがある。
メイは、生粋のイングランド人であり、スコットランドのポンド紙幣がエリザベス女王ではないことに不満を持っているとされるが、まずはスターリング・ポンドの死守が優先だろう。ル・ペンがフランス・フラン復活を望んでいるかどうかはわからないが、案外通貨に関してはユーロのままで良いと思っているフシがある。
通貨発行権は主権国家の重要な権利だが、ル・ペンは経済・金融にあまり明るくないとされているためか関連する発言は少ない印象だ。
余談だが、1980年代中頃、3倍ほど価値の差があったフランス・フラン(FRF)とスイス・フラン(CHF)を間違えて買い物をして痛い目にあった筆者としては、フランスはスイス・フランにペッグした通貨にでもしたら便利だと思うのだが。
空港の半分がフランスのジュネーブのコアントラン空港などは絶対便利になる(^^)。

それぞれ(ル・ペンが大統領になったと仮定すると)軍の最高指揮官となるが、アメリカを除く敵対する国、地域に躊躇なくミサイルや砲弾を撃ち込めるかどうかに関しては、メルケルは躊躇するだろうし、特にロシアが相手ならまず実行しないはず。メイはアメリカを除くどんな国が相手でも躊躇なく実行しそうな気がする。ル・ペンは母親的慈愛で戦闘参加するかどうかは疑問だ。
まあ、相手がアフリカ諸国なら3人とも間違いなく部隊派遣や攻撃を実施しそうな気がするが、中東に関してはそれぞれ国家的利益が大きいため様子見だろうか。

政治家同士も個人的な信頼関係がどうのと言われるが、それぞれ国を代表するポジションに就いてからそれを醸成するというのはそう簡単とは思えない。
どんなに安倍首相がウラジーミルと呼んでも、プーチンはイマイチの表情だった。
ファーストネームで呼ぶのは親しい証などというのは筆者に言わせればアメリカンな文化であって、欧州ではさほど意味が無い気がする。むしろファーストネームはどこにでもいる名前(多くは聖人にちなんだ名前)が多いので、親しい場合には愛称(これもある程度ルールがある)で呼んでいると思う。

安倍首相と相性が合いそうなのは3人の中でル・ペンくらいだろうと推察する。(これも怪しいとは思うが)
G7等での言動を見るとメルケルはあまり安倍首相というか元々日本を好まない空気がある。彼女にとって歴史ある偉大な国はエカチェリーナ2世がドイツ生まれなこともあるがロマノフ朝のロシアだけのようである。(それもあってプーチンと仲が良い)
メイは(知っている人は知っているが)グラマースクール出身でイングランドのエリート中のエリートであり、相当にプライドが高いはずで、政治家同士のなれ合いが大嫌いだとされる。おそらく学歴も低く、頭の良く無さそうな腹芸だけの政治家は好まないのだろう。その点で安倍首相はちょいと条件を満たさないかも。(^^)
ル・ペンは大統領選を意識してか、父親の極右のイメージを緩和し、最近はタカ派的なものを意識的に避けるように見えるため、タカ派とされる安倍首相とはどうだろう。
ただ、父親が過去に靖國参拝をしたり、中曽根元首相を尊敬しているということで、安倍政権とはソリが合うのかどうか。父と娘は違うと言われるし、もし大統領に就いた場合に閣僚にアジア系を取り込むかどうかが注目かもしれない。

イギリスはローマ時代のイケニ族女王ブーディカに始まって、ビクトリア女王、現エリザベス女王といった具合に女性による統治の歴史があるし、フランスはジャンヌ・ダルクもいる。女性の参政権の歴史さえ浅い日本では神話の天照大神や邪馬台国の卑弥呼は引き合いに出されてもリアリティが無い。
日本で女性のトップが生まれる可能性については、まだ少々期待の残る小池都知事あたりが最右翼(既に×という意見もある)かもしれないが、次点とされる稲田防衛相では残念ながら完全に×である。
やはり当分無理だろうか。女性の意見も聞いてみたい。


born-in-the-usa今日の一曲
1984
Bruce Springsteen “Born in the U.S.A.”
熱心な民主党支持者のBruce Springsteenがベトナム帰還兵の苦悩を歌ったものだが、共和党のテーマソングの一つのように利用されてきた。
“ライフルを持たされ黄色い奴らを殺すために外国に送られた”といった歌詞は、アメリカに生まれちまったんだからしょうがない・・・という諦めを歌っている。
いろいろ議論もあるが、とりあえず共和党トランプ就任を記念して。


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